4月 192015
 

著者の一人である竹澤さんからご献本いただきました。

私は普段iOSアプリ専門で開発をしていますが、PHPでの開発もたまにですがおこなってます。
Laravelには興味がありましたが、実際にLaravelを使ったことはまだありません。
そんな立場から本書のレビューを書かせていただきます。

日本初のLaravel専門書

私が知る限り、日本で初であろう書籍(電子書籍除く)でのLaravelの専門書です。
タイトルが示すように、Laravelを使いこなせるようにメインとなる機能についてコードを交えて書かれているのが特徴です。
PHPの初歩的な部分などについては触れられていませんので、ある程度PHPでコードを書いている人が対象となるでしょう。
PHPの入門書や資料などは山のようにありますので、初心者の方はPHP入門書を片手に、併読することをお薦めします。
本書は執筆時期の関係だと思いますが、つい最近リリースされたLaravel5ではなくLaravel4をベースに5ではどうなっているかを補完する形で書かれています。仕方のない部分ではありますが、それでもLaravel5の新機能を1章まるまる使って書かれていますので、これから扱う上で不足はないでしょう。

そもそもLaravelってなに?

LaravelはPHPのフレームワークで、GitHubで公開されているPHPのオープンソースの中でダントツにStar数が多いのが特徴です。
これは注目している開発者が多い証明です。
実際、日本ではまだまだ知名度が低い(失礼しました!)ですが、海外をみるとLaravelで組まれたWebページやシステムが数多くあるようです。
また、開発者が注目する理由の一つが「1-1 Laravelストーリー」に書いてありましたので、引用します。

それでも発展し続けているのは、「開発工程を楽しいものにする」、「幸せな開発者が、最高のコードを書く」というLaravelの哲学が一貫されているからでしょう。

Chapter1では、このようにLaravelの歴史や、基本的な導入方法を学べます。

目次は内容を表す

その書籍の内容を知るには、目次を見るのが一番です。
章を並べてみましょう。

chapter1.Laravelをはじめよう
chapter2.MVCモデルが基礎からわかる
chapter3.IoCコンテナ,ファサード,サービスプロバイダ,Eloquent
chapter4.Laravel5の新機能を紹介!
chapter5.実践!REST APIアプリケーション
このほかに特別記事として、「PHPフレームワーク最新事情」がchapter4と5の間にあります。

本書はSoftwareDesign紙と同じくらいの厚さで、ページ数は154ページです。
そのため、それほど章は多くありませんが、目次を見ても主要な部分をすべてマークしているのがわかります。

モダンな機能

IoC(Inversion of Control)とDI(Dependency injection),ファサード,サービスプロバイダ,Eloquent(ORM)といったモダンなフレームワークに組み込まれている機能は、Chapter2でもさわり程度には触れられていますが、Chapter3できちんと解説されています。
特にまだ入門書をチラ見していた自分にとって、ファサードはクラスメソッドに見えるのに該当ソースが見当たらない。なんだこれ?とちょっと理解しづらい部分があったのですが、本書を読んで腑に落ち理解できました。
使用しているしていないに関係なく、一般化してきた感もあるORMについても細かく書かれていました。
ORMを使っていると必ず、SQLを直接実行したい箇所があるというときにSQLを直接で書けるのか?という疑問が発生します。
それについてもEloquentを説明する冒頭で真っ先に解説されており、開発者目線だなと感じました。
ORMを使ってるのにSQLを直接書くのはどうなの?という方もいるとは思いますが、それはそれ。出来る方法が用意されているのは安心できるものです(笑)

Laravel5の新機能

Laravel5はLaravel4から進化はしています。
Chapter4ではLaravel4の知識がある前提ではありますが、Laravel5の変更点や各種機能の使い方、スタイルなどが記されています。
各種ミドルウェアをLaravel5で使う方法もこの章では書かれており、実践的であると言えます。
実践的と言えば、コマンドバスとジョブキュー、フォームリクエスト処理について、サンプルを交えてLaravel5でどのようにすればよいかが解説されているので、ただ機能の説明をされるよりも理解しやすいでしょう。

実際の開発例

Chapter5では「実践!REST APIアプリケーション」という章タイトルが示すとおり、LaravelをつかってのREST APIの作成を例に、ルーティング、コントローラ、サービス、モデル、テストについて一通り解説されています。
まずこの章を読めばLaravelではどんな感じで開発するのかわかりますので、中級・上級のLaravel未経験な開発者は、この章を先に読めばなんとなくLaravelがどんなものかを理解できそうだと感じました。

まとめ

154ページという技術書としては薄い本ですが、内容は非常に濃いです。
またLaravel専門の技術書というのも貴重ですね。
Laravelに興味がある人は必読の書でしょう。

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 Posted by at 12:11 PM

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