レトロゲーム好きには必須アイテムであるファミコンのディスクシステムですが、メンテナンスをしていない機体はモーターとプーリーを結んでいるゴムベルトが劣化し切れてしまっているため、電源が入ってもモーターの音がすれどディスクはまわらずエラーになります。
もう任天堂による保守が終了しているので、自力で修理するかどこか修理してくれる人を探すしかないでしょう。
ここでは自力で修理する方法を書いていきます。
修理自体はまったく難しいことではないので、是非自分で修理してみてください。
ちなみにツインファミコンもドライブをはずしたら全く同じ手順で修理できます。
必要な工具や部品
- ラジオペンチ
- ピンセット
- プラスドライバー
- L字型 六角レンチ (1.5mm)
- モビロンバンド (日清紡 モビロンバンド 90 X 3 X 0.3)
- 接点復活剤
- グリス (なんでもいいですが、私はリチウムグリスを使いました)
モビロンバンドはAmazonなどで買うと100g(約460本)入っているものしか売っていません。
オークションなどで小分けで売っている人もいますが、普通に輪ゴムとして使える(しかも劣化しない!)ので、安いし100g買ってしまっても良いと思います。
グリスも1台修理するの小指の腹程度しか使わないのですが、そんな少量を売っているわけでもなく、すごく余ります。
自転車のチェーンに付けるとか用途を見つけて余ったのを使いましょう(汗)
ドライブを外す
まずはディスクドライブを取り出しましょう。
筐体の裏に6本のネジがあるのでネジを外し上蓋を外します。
上蓋を外すとすぐドライブが見えます。ドライブを固定しているネジ4本を外し、ドライブを浮かせ、ドライブ後ろにあるコネクタをはずすと、無事ドライブ本体が取り出せます。
ちなみに、コネクタがはずしづらい場合、電池ボックスとその下にある電源基板をはずすと作業しやすくなります。
ドライブを分解する
ドライブが外せたら、裏返してカバーを外します。
カバーがはずれたら、表面右下のコードを止めてあるツメをラジオペンチで起こして、コードを自由にします。
ツメを起こしてコードが自由になったら、裏返して基板をはずします。
基板を止めているネジは4つあり、そのうち2つは違うものですので、止めてある位置を忘れないように。
ワッシャーが付いているネジと、他より少し小さいネジ、残り2つは同じネジです。
基板を起こして、プーリーをはずします。
プーリーを止めているネジをはずし、思いっきり持ち上げて真ん中の芯と分離させ、時計回りに回すとはずれます。
プーリーがはずれたら、写真の場所にグリスを塗ります。
写真では右側は空洞になっていますが、ちょっとギアを回すと軸が見えますので、その軸に塗ります。(軸の移動をスムーズにします)
モビロンバンドを張る
ここまで分解したら、真ん中のプーリーとモーターに解けたゴムベルトを剥がし、接点復活剤で綺麗にします。
ゴムベルトは溶けてくっついているので、小さいマイナスドライバーなどである程度剥がした後に、接点復活剤を綿棒に付け拭いていくと、溶けたゴムが取れて綺麗になります。
綺麗になったらモビロンバンドを張ります。
先にはずしたプーリーにモビロンバンドを通しておき、その状態ではずしたときの逆の手順で、プーリーをセットします。
ギアを引っかけて真ん中の穴に軸を通し、反時計回りに回します。
そして3箇所のネジをキチンと閉め、ピンセットなどでモビロンバンドをプーリーとモーターに張ります。
この辺説明しづらいのですが、写真を見ればなんとなくわかるでしょうか?
モビロンバンドを張ったら、基板を戻します。
基板に付いている長いスイッチは表側に貫通するのですが、大抵表側にある金属にぶつかりますので、スイッチを後ろにずらしながら基板を戻しましょう。
ヘッド位置の調整
バンドを張ったら次は重要なヘッド位置の調整をします。
その前にドライブ前面にあるカバーをはずします。
次に表面にあるディスクを覆う黒いプラスチックのカバーをはずします。
はずすには側面にある小さいバネを3箇所はずす必要があるのですが、小さいので無くさないようにしてください。
はずすときに飛んでいって紛失というのが一番怖いです。ピンセットで丁寧におこないます。
上のカバーがはずれたら、まずグリスを塗りましょう。
塗る前に既に付いているグリスをさっと拭き取ってから、たっぷりとあたらしいグリスを塗って下さい。
いよいよヘッド位置の調整です。
表面のまま裏の右下にあるギアを時計方向に回します。
するとヘッドが手前にゆっくりと動き、手前に動ききったら、今度は速く戻っていきます。
ヘッドが戻っていく状態になったらゆっくりとギアを回し、ヘッドがカチっと聞こえる位置になったら止めます。
この状態でディスクを回す軸の調整を行います。
六角レンチで軸の側面にあるネジを反時計回りに回して緩め、その後写真のように平らな面が水平になる状態にしたあと、キチンと締め直します。
テスト、そして元に戻す。
ここまで来たら、ディスクを読み込めるか確認しましょう。
しかしこの状態では確認できません。まず表面のディスクを覆うカバーを付けます。バネもキチンとはめましょう。
バネを付けない状態ですとディスクを押さえる力が無いため、うまく読み込めない場合があるのです。
表面のカバーを付けたら、最初にドライブをはずしたときのコネクタを付け直します。
コネクタを付けたらドライブは適当に置いてかまいません。後はRAMとACアダプタを繋げ、実際にディスクが読み込めるか確認します。
大抵は1度でうまくいくはずですが、もしエラーがでて読み込みに失敗するようでしたら、ヘッド位置の調整をやり直して下さい。
ディスクがまわっていない場合は、バンドがはずれていますので、張り直してヘッドの位置調整をします。
チェックして100%読み込めるようになったら、元に戻していきましょう。
右下のツメでコードをロックするのをお忘れ無く。
元に戻したら、再度読み込みチェックをして完了です。
お疲れ様でした。
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